「中国から仕入れた商品が届かない」「届いたら半分が不良品だった」。中国輸入を始めた方から、こうした声を聞くことは珍しくありません。安く仕入れられる反面、国内取引では起きにくいトラブルが起きやすいのが中国輸入の難しいところです。
この記事では、中国輸入のトラブル対策として、トラブルが起きやすい理由、よくある8つの事例、未然に防ぐ7つの対策、起きてしまったときの対処法までをまとめました(検品の現場で実際によく見るケースを中心にしています)ので、参考にしてくださいね。
中国輸入でトラブルが起きやすい理由【3選】
中国輸入のトラブル対策を考える前に、なぜトラブルが起きやすいのかを知っておくと、どこに手を打てばいいかが見えてきます。主な理由は次の3つです。

1. 言葉と商習慣が違う
1688やタオバオは中国語のサイトで、ショップとのやり取りも基本的に中国語です。翻訳ツールで注文できても、「色の指定」「サイズの内訳」「梱包の希望」といった細かい条件は、うまく伝わっていないことがあります。
また、中国では「注文後に在庫切れが判明して勝手に別の色を送る」「連絡なしに発送が遅れる」といった対応が、日本ほど問題視されないケースもあります。日本の感覚で「言わなくてもわかるだろう」と考えると、トラブルの原因になりやすいです。
2. 品質の基準が日本と違う
日本の消費者は、小さな糸のほつれや汚れにも厳しい傾向があります。一方、中国の工場やショップでは、多少の寸法誤差や糸残りを「許容範囲」として出荷することがあります。
つまり、中国側では「良品」として出荷された商品が、日本では「不良品」と判断される可能性があるわけです。ここが、品質トラブルが減らない一番の理由といえます。
3. 日本に届いてからでは返品しにくい
国内の取引なら、不良品はすぐに返品・交換できます。しかし中国輸入では、日本に届いてから中国に送り返すと、国際送料が商品代を上回ることも少なくありません。ショップによっては、海外からの返品を受け付けないこともあります。
そのため、中国輸入では「届いてから対処する」のではなく、「日本に届く前に止める」という考え方が大切になります。
中国輸入でよくあるトラブル事例8選
ここからは、中国輸入で実際によく起きるトラブルを8つ紹介します。発生するタイミング別に整理しました(自分がどの段階で困りやすいかを確認しながら読んでみてください)ので、参考にしてくださいね。

| タイミング | トラブル事例 | 主な損失 |
|---|---|---|
| 注文・支払い | 1. 商品が発送されない・届かない | 代金・時間 |
| 品質 | 2. 写真と違う商品が届く | 売れ残り・低評価 |
| 品質 | 3. 不良品・破損品が混ざる | 返品・在庫ロス |
| 品質 | 4. 数量不足・別商品が混入する | 欠品・再注文の手間 |
| 配送 | 5. 納期が大幅に遅れる | 販売機会の損失 |
| 通関 | 6. 税関で止められる・没収される | 商品代・送料 |
| 法律 | 7. 偽ブランド品を仕入れてしまう | 没収・法的責任 |
| 法律 | 8. 日本の法律に違反してしまう | 販売停止・罰則 |
1. 商品が発送されない・届かない
支払いを済ませたのに、いつまでも発送されないケースです。在庫切れなのに出品が残っていた、ショップが連絡なしに休業していた、といった理由が多いです。
タオバオや1688では、代金がいったんプラットフォーム側に預けられ、受け取りを確認してからショップに支払われる仕組みが一般的です。そのため、代金そのものが戻らないケースは多くありませんが、販売計画が狂ってしまう点は大きな損失になります。
2. 写真と違う商品が届く
商品ページの写真が加工されていたり、別の商品の写真を流用していたりして、実物と色・素材・質感が大きく違うケースです。とくに衣類では、「写真より生地が薄い」「色がくすんでいる」といった差がよく見られます。
婦人服でよくある品質の違いは、中国婦人服通販の仕入れガイドでも詳しく紹介しています。
3. 不良品・破損品が混ざる
縫製不良、汚れ、パーツの欠け、輸送中の破損などが一定の割合で混ざるケースです。不良品の割合は商品やショップによって大きく異なり、THE CKBは中国輸入の不良品率は30%程度とも言われると紹介しています。あくまで目安ですが、「一定数は必ず混ざる」という前提で考えておくのが安全です。
4. 数量不足・別商品が混入する
注文数より少ない、色やサイズの内訳が違う、まったく別の商品が入っている、というケースです。ショップ側のピッキングミスがほとんどですが、日本に届いてから気づくと、追加注文や返品交渉に時間がかかります。
5. 納期が大幅に遅れる
「3日で発送」と書かれていても、実際には2週間以上かかることがあります。とくに中国の旧正月(春節)の前後は、工場や物流が長期間止まるため、1か月以上遅れる可能性もあります。11月の「独身の日(双十一)」前後も、国内物流が混み合いやすい時期です。
6. 税関で止められる・没収される
日本の税関で輸入が認められず、商品が没収・廃棄されるケースです。税関は、麻薬や拳銃のほか、偽ブランド品などの知的財産侵害物品を含む13の分野を「輸入してはならない貨物」と定めており、該当する物品は没収・廃棄または積戻しの対象になると案内しています。
7. 偽ブランド品を仕入れてしまう
知らないうちに、偽ブランド品やキャラクターの模倣品を仕入れてしまうケースです。財務省の発表によると、2025年に税関が輸入を差し止めた知的財産侵害物品のうち、中国を仕出しとするものは26,292件で全体の82.8%を占めました。
また税関は、個人使用であっても、海外の事業者から郵送される模倣品は2022年10月1日から取締りの対象になっていると案内しています。「安すぎるブランド品」は避けるのが基本です。
8. 日本の法律に違反してしまう
商品自体は問題なく届いても、日本で販売するときに法律の手続きが必要なケースです。代表的なものは次のとおりです。
- 電気用品安全法:コンセントにつなぐ電気製品やモバイルバッテリーなど。経済産業省は、輸入代行であっても輸入品を国内に供給する事業を行っている場合は電安法上の輸入事業者になるとしており、事業届出・基準適合確認・自主検査・表示が必要です
- 食品衛生法:食器・調理器具・乳幼児向けのおもちゃなど
- 電波法:Bluetooth・Wi-Fiなどの無線機器
- 家庭用品品質表示法:衣類の組成表示・洗濯表示など
どの商品にどの規制がかかるかは、中国の輸出規制リストの記事の「日本側の輸入規制」の表でもまとめています。
中国輸入のトラブル対策【7選】
ここまでのトラブルの多くは、事前の準備で防げる可能性があります。中国輸入のトラブル対策として効果が大きい7つを、仕入れの流れに沿って紹介します。

| 段階 | 対策 | 防げるトラブル |
|---|---|---|
| 仕入れ前 | 1. 信頼できる仕入れ先を見極める | 未発送・偽ブランド品 |
| 仕入れ前 | 2. サンプルで品質を確認する | 写真と違う・不良品 |
| 仕入れ前 | 3. 輸入できない商品を事前に確認する | 税関での没収・法律違反 |
| 注文時 | 4. 注文内容を文章で残す | 数量不足・別商品の混入 |
| 出荷前 | 5. 出荷前に現地で検品する | 不良品・数量不足 |
| 出荷前 | 6. 梱包方法を指定する | 輸送中の破損 |
| 全体 | 7. 納期に余裕を持たせる | 納期遅れ |
1. 信頼できる仕入れ先を見極める
ショップ選びの段階で、次のポイントを確認しておきましょう。
- 出店年数が長く、評価やレビューの件数が多い
- 1688なら「実力商家」や工場直営などの表示がある
- 商品ページに実寸や素材がきちんと書かれている
- 問い合わせへの返信が早く、内容が具体的
- 相場より極端に安くない
2. サンプルで品質を確認する
まとめて注文する前に、1〜2点だけ取り寄せて実物を確認します。色・素材・縫製・サイズを自分の目で見ておけば、「写真と違う」トラブルの多くは防げる可能性があります。サンプル代と送料はかかりますが、大量の不良在庫を抱えるより損失はずっと小さくて済みます。
3. 輸入できない商品を事前に確認する
偽ブランド品、電気製品、食器、化粧品など、日本の法律で手続きが必要な商品は、注文前に確認しておきましょう。中国側の輸出規制については中国の輸出規制リストの記事、関税については中国輸入の関税の記事で解説しています。
4. 注文内容を文章で残す
色・サイズ・数量の内訳、付属品の有無、梱包の指定などは、チャットやメッセージで文章として残しておきましょう。トラブルになったとき、「注文時にこう伝えた」という証拠になります。口頭や通話だけで済ませるのは避けるのが無難です。
5. 出荷前に現地で検品する
検品の種類やチェック項目、不良品の判定基準の決め方は、中国輸入の検品で不良品を防ぐ方法の記事で詳しく解説しています。
不良品や数量不足を防ぐうえで、最も効果が大きいのが出荷前の検品です。中国側で検品すれば、問題のある商品をその場でショップに返品・交換できるため、国際送料をかけずに済みます。
弘唯代行では、義烏の拠点で外観・数量・サイズなどの検品を行い、不良品が見つかった場合はショップとの交渉まで日本語で対応しています。詳しくは検品サービスのページをご覧ください。
6. 梱包方法を指定する
割れ物や型崩れしやすい商品は、「1点ずつ緩衝材で包む」「段ボールを二重にする」などの梱包方法を指定しておきます。中国国内の配送は扱いが荒いこともあるため、指定しない場合は破損の可能性が高まります。
7. 納期に余裕を持たせる
中国輸入では、注文から日本到着まで、航空便でも2〜3週間程度かかることが多いです。春節や双十一の時期はさらに遅れる可能性があるため、販売開始日から逆算して、少なくとも1か月程度の余裕を見ておくと安心です。
トラブルが起きたときの対処法4ステップ
どれだけ対策をしても、トラブルを完全になくすことは難しいです。起きてしまったときは、次の4ステップで落ち着いて対応しましょう。

1. 写真と動画で証拠を残す
商品が届いたら、開封前の外箱、開封の様子、問題のある箇所を写真や動画で記録します。ショップやプラットフォームに申し立てるとき、証拠がないと対応してもらえない可能性があります。
2. 仕入れ先に連絡する
証拠をそろえたら、ショップに状況を伝えて返金・交換・値引きのいずれかを相談します。感情的に責めるより、「何が」「何点」「どう違うか」を具体的に伝えるほうが、話が進みやすい傾向があります。
3. プラットフォームの紛争解決を使う
ショップとの話し合いで解決しない場合は、タオバオや1688の運営側に仲裁を申し立てる仕組みがあります。受け取り確認の前であれば、代金がショップに支払われていないため、申し立てが通りやすい傾向があります。受け取り確認は、検品が終わってから行うのが基本です。
4. 代行業者に交渉を依頼する
中国語での交渉や、商品をショップに送り返す手続きは、個人では負担が大きいです。代行業者を使っている場合は、早めに相談して交渉を任せるのがおすすめです。中国側の倉庫に商品があるうちなら、返品・交換の選択肢も広がります。
中国輸入のトラブルに関するよくある質問
中国輸入のトラブル対策について、これから始める方からよくいただく質問をまとめました。
中国輸入で一番多いトラブルは何ですか?
業者や商品によって異なりますが、検品の現場で多いのは、不良品の混入・写真と違う商品・数量不足といった品質関連のトラブルです。どれも出荷前の検品で見つけられる可能性が高いので、まずは検品の仕組みを整えるのがおすすめです。
届いた不良品は返品できますか?
ショップによっては可能ですが、国際送料がかかるうえ、海外からの返品を受け付けないショップもあります。現実的には、日本に届く前に中国側で検品し、その場で返品・交換するほうが確実です。
税関で止められた商品はどうなりますか?
税関は、輸入してはならない貨物に該当する物品について、没収・廃棄または積戻しを命じることができるとしています。知的財産侵害物品の場合は、侵害に当たるかどうかを判断する手続きが取られます。判断に迷う場合は、税関の相談官に事前に問い合わせることもできます。
個人輸入でもトラブル対策は必要ですか?
必要です。国民生活センターによると、2025年度に越境消費者センター(CCJ)へ寄せられた海外取引の相談は9,127件で、開設以来最多になりました。なお、CCJは消費者向けの窓口のため、事業として仕入れている場合は対象外になる可能性があります。
代行業者を使えばトラブルはなくなりますか?
なくなるわけではありませんが、減らせる可能性は高いです。代行業者によって検品の内容や交渉の範囲は異なるため、「どこまで検品してくれるか」「不良品が出たときにどう対応してくれるか」を事前に確認しておきましょう。
まとめ
中国輸入のトラブルは、言葉や商習慣の違い、品質基準の違い、そして日本に届いてからは返品しにくいという3つの理由で起きやすくなります。よくある事例は、未発送・写真との違い・不良品・数量不足・納期遅れ・税関での没収・偽ブランド品・法律違反の8つです。
中国輸入のトラブル対策の基本は、「仕入れ先を見極める」「サンプルで確認する」「出荷前に検品する」など、日本に届く前に問題を止める仕組みを作ることです。法律や規制は変わることがあるため、最新情報は税関や経済産業省などの公式情報もあわせて確認してください。
弘唯代行では、1688・タオバオ・AliExpressの注文代行から、義烏の拠点での検品、不良品が出たときのショップとの交渉、日本への発送までをまとめて対応しています。「中国輸入のトラブルが不安」という方は、お気軽にご相談ください。
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